はあちゅう著「とにかくウツなOLの、人生を変える1ヶ月」を読んで

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4月末に発売されたばかりの、はあちゅうさんの新著、「とにかくウツなOLの、人生を変える1か月」を読んだので、個人的な考察をここに記したいと思います。ネタバレも含むので、これから楽しみにしている方は読まないでください。

01.文芸に親しむ人には物足りないが、素人には読みやすい本

小説と聞くと、難しい言い回しが多くて、堅苦しそうというイメージを持つ人もいると思いますが、この本にはそういった部分はありません。時代設定は現代社会なので、まるでドラマを見ているような感覚で、すらすらと読めてしまいます。ただ、小説によくある、奥深さ、物語を紐解く楽しさみたいなものは感じません。本人も言うように、文芸に親しんでいる人には物足りないかもしれません。さくっと読めて、内容がわかりやすいものを求めている方にはピッタリだと思います。

普段小説を読まない人のための
サクサク読める小説だと思います。

メッセージを伝えることを重視したので
文芸に親しんでいる人は逆に物足りなく感じるかもしれませんが

引用元:はあちゅうブログ

02. はあちゅう語録が入りまくっていて、反応ポイントが多い

私ははあちゅうさんのtwitterフォロワーで、ブログを読んだり有料noteを購読したこともあります。それだけはあちゅうさんの言葉に普段から触れているせいか、「あれ、これはいつかのtwitterのつぶやきで見たぞ」といちいち気になってしまうのです。だから、書籍として楽しむというよりも、この一節はあそこからアイディアを得ているな?と考察してしまったりして、最初の方は物語に入り込むよりも、はあちゅうさんを分析してしまい、あまり頭に入ってきませんでした。。それだけはあちゅうさんの人物像をテレビやWebで見る機会が多いので、他の小説家と違って、考えが植え付けられてしまったせいもあるかもしれません。

例えば本書から例を紹介します。

ダイエットって一瞬のことじゃなくて、一生つきまとうってこと

これはメンタルジムのヒカリが奈緒に投げかけるセリフです。

はあちゅうさんが自身のブログで紹介していたTwitterアカウント、ダイエットコーチ@diet_EICOのつぶやき。「ダイエットは生活習慣の改善で、イベント的なものではないから、一生続きますよ。〜」の部分、まさにここからの一節だと思いました。違ったらすいません。

これも同じくヒカリが奈緒に言ったセリフ。

私の仕事も、誰かにとっては憧れの仕事なのかもしれない。

はあちゅうさんの有料note、みんな誰かの憧れだからに似ています。

土日っていうのは会社が勝手に決めている休みですから、たまには合わなくなりますよね。

これ、どっかで見たなとすぐに思いました。エゴサーチで探したのですが、元ネタが見つかりませんでした。。

03. 女性向きの本

この本の主人公はWebメディアの編集長である女性の”奈緒”、そして舞台は表参道。まさに前職が編集長だったはあちゅうさんの得意分野とも言える設定です。Webメディアの更新作業に追われる奈緒の姿は、普段Webに触れている私にはあまりに身近な設定だったので、これまでにない不思議な気持ちになりました。今までWebメディアの編集長が出てくる小説ってあったでしょうか…?

東京で生きる女性を等身大として展開されるストーリーは、女性目線で女性向きの本だと思います。

04.嫌われる勇気の現代版

メンタルジムのヒカリと、奈緒の対話形式は、ベストセラーの「嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え」を彷彿させます。Twitterでもそのような感想が飛び交っていました。ただ嫌われる勇気はアドラー心理学にもとづいていますが、この本ははあちゅうさんの言葉で表現されているので、そこまで難しいものではありません。

まとめ

最後に私が読んだ正直な感想を書かせてもらうと、以前読んだ、はあちゅうさんの著書半径5メートルの野望の衝撃がすごかったので、期待してしまったせいかそれよりも物足りなく感じました。半径5メートルはほんとにズバッと言う物言いが爽快だったし、実体験が面白く描かれていたので、とても楽しかったんです。この”とにウツ”はそれに比べるとあまりにキレイすぎて、もっと先が読めない展開や、わくわく感が欲しいと思ってしまいました。

それに最近は自己啓発系のメソッド本はかなり出ているので、メンタルジム・ヒカリが主人公奈緒に投げかけるセリフもありきたりなものが多いと感じました。普段、嫌われる勇気とか、DaiGoさんの本を読んだことある人には、目新しさはないかもしれません。なので読み終わった時に、ずっと心に残る感覚はあまりなく、全体的には弱い印象です。あえて言うならば、京都にわらび餅を食べに行きたくなったり、お茶をこだわってみようかな、という気持ちにはなりました(笑)

はあちゅうさんのスゴいところは、帯に「ハッシュタグ#とにウツをつけてSNSに書いていただくと、本人がくまなくチェック&リアクションします」と書かれているんです。SNSマーケティングをうまく使って拡散してもらうという手法は、これまでの小説家と違って徹底しているなと関心します。もちろん良い感想じゃないとリツイートされないのは明確ですが、それだけ世の中につぶやきが広がると、自然と知らない人でも「買ってみようかな?」と購買意欲をそそることになります。

でも、これ、はあちゅうさんの小説1作目なので、きっと次はまた違う企みがあるのではと期待しています。これはあくまでも私の感想なので、迷っている方はご自身で確かめてみてください。

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